みそ × 身体にいい 身そ
海外からも健康食として注目を集めるみそには、食物繊維やカルシウム、カリウム、ビタミンC・Eなど、科学的にも証明されたすぐれた効果がたくさん含まれています。和食の基本である「一汁一菜」の主役として、日本人の暮らしに深く関わってきたみそは、数ある発酵食の中でも抜群のバランス感覚を持っています。ここでは、おいしくてきれいになれるみそパワーをご紹介します。
これからの健康を語る際に欠かせない「強い身体をつくり、いのちを守る食材」として、みその力が注目されています。
1970年代から放射線の生物影響を研究し続けてきた渡邊敦光氏(広島大学名誉教授)によると、みそを食べ続けることによって、放射線を浴びたあとの死亡率を低くしたり、体内の放射性物質を除去したりする働きがみそにあるということです。
また、広島と長崎で被爆した人のなかでも、毎日みそ汁を食べていた人が長生きしたという事例もあります。
「畑の肉」と呼ばれる大豆を使い、タンパク質やビタミンが豊富、さまざまな料理に応用できるので献立の栄養バランスもアップ。さらに、発酵する際に出る「旨み成分」が料理をおいしくしてくれると、こんなにあるみそのすごい力は見逃せません。
日本人は、鎌倉・室町時代からみそ汁とごはんを中心とした「一汁一菜」を食の基本としてきました。徳川家康は平均寿命が30代後半という時代にあって、75歳まで生きたということです。
長寿の秘密は、具だくさんのみそ汁を毎日飲んでいたから。ごはんとみそ汁という質素な食事をしながらも健康でいられたのは、みそがすぐれた機能性食品であることを証明しています。
みそ汁は塩分を気にする方にとっては悪者のように言われることもありますが、実は、みそ汁1杯の塩分は約1.2gと、ラーメン約5gやカレー約3gにくらべるとすごく少ないことがわかります。みそ汁の具を工夫することで栄養的にもすぐれた一品になり、余分なナトリウムを体外に排出してくれるカリウムも含まれているので献立のまとめ役になってくれます。
疲労回復効果や血流改善効果があり、コレステロールを下げるレシチンなどの生活習慣病予防に役立つ成分が含まれているみその力を利用すれば、健康で身体の中からきれいになれるはず。まずは、1日1杯のおいしいみそ汁からみそ食生活を楽しんでみませんか。
江戸時代には「医者に金を払うよりも、みそ屋に払え」ということわざが生まれたほど、みそは人々の暮らしに欠かせない存在でした。「みその三礎(さんそ)」という言葉には、みそには「味の素」「命の素」「美の素」が含まれており、健康と美容に効果があるという意味が含まれています。
ほかには、みそ汁の底力を讃えることわざがたくさんありますよ。